Ubuntuは世界で最も普及しているLinuxディストリビューションの一つですが、技術者やプロフェッショナルな現場からは、特定の「弱点」が指摘されることがあります。2026年現在の視点で、実務に影響しうる主要なデメリットを整理しました。
1. Snapパッケージへの強烈な依存
Canonical社が推進するパッケージ管理システム「Snap」が、多くの技術者にとって最大の不満点となっています。
起動速度の遅延: アプリケーションがサンドボックス化されているため、従来の
.deb形式に比べて起動がワンテンポ遅れることがあります(特にブラウザなど)。ディスク消費量: 依存ライブラリをパッケージ内に抱え込むため、ストレージ使用量が増大します。
強制アップデート: ユーザーが望まないタイミングで自動更新が行われることがあり、サーバー運用において予期せぬ挙動変更を招くリスクがあります。
2. サーバー運用における「RHEL/CentOS系」との互換性
日本のエンタープライズ市場では、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 系のエコシステムが依然として強固です。
商用アプリの対応: 特定の商用ミドルウェアやエンタープライズ向け管理ツールが「RHEL/AlmaLinuxのみ公式サポート」となっているケースがあります。
設定作法の違い: ネットワーク設定(Netplan vs NetworkManager)やサービス管理の細かな挙動が異なるため、RHEL系に慣れたエンジニアには学習コストが生じます。
3. 「安定性」と「新機能」のジレンマ
UbuntuはDebianの不安定版(sid)をベースに構築されています。
最新機能の代償: LTS(長期サポート版)であっても、安定性を最優先する Debian GNU/Linux や RHEL に比べると、パッケージの更新頻度が高く、マイナーアップデートで挙動が微妙に変わることがあります。
Jit(JITコンパイル)やライブラリの不整合: 開発者向けの最新ツールを積極的に取り込むため、古いレガシーなシステムをそのまま動かそうとすると、ライブラリのバージョンが新しすぎて動かないことがあります。
4. リソース消費の重さ
初心者向けの親切な設計が、ベテラン技術者には「余計なもの」と感じられることがあります。
バックグラウンドプロセス: デフォルトで動作しているサービス(不具合報告ツールやクラウド初期化ツールなど)が多く、最小構成で構築したい場合には手動での削ぎ落とし作業が必要です。
メモリ使用量: 標準インストールでは Debian や Alpine Linux に比べて初期のメモリ消費量が多い傾向にあります。
5. Canonical社のビジネス方針への懸念
Ubuntu Pro(旧UA)のプロモーションがターミナル内(apt upgrade時など)に表示されるようになり、コミュニティの一部から「純粋なオープンソースの体験を損なっている」という批判があります。また、独自の技術(UnityデスクトップやMirなど)を推進しては途中で断念した歴史があり、長期的な技術選定においてCanonical社の意向に左右される不安要素があります。
技術者へのアドバイス
これらの弱点を踏まえ、以下のような「使い分け」が一般的です。
Ubuntuを選ぶべき: クラウドネイティブな開発、AI/機械学習、最新のハードウェア利用、デスクトップ用途。
他を検討すべき: * 究極の安定性と軽量さが必要 ➔ Debian
超軽量なコンテナベース ➔ Alpine Linux
日本のエンタープライズ標準に合わせる ➔ AlmaLinux / Rocky Linux