2010年2月20日土曜日
Oracle Database 11g Release 2で注目すべき10+1の新機能
Oracle Database 11g R2で注目すべき10+1の技術
米Oracleの発表によれば、Oracle Database 11g R2には実に200を超える新機能が含まれているという。その中でKyte氏が紹介したものは、同氏自身が「ここで紹介する技術は(OracleのCEO)Larry Ellisonがステージで語るような類のものではなく、もっと技術的に深い内容になります」と前置きしているように、特に現場のデータベース管理者やアプリケーション開発者が知っておくべき類のものである。
1. Do it yourself Parallelism
ビルトインのパッケージを使うことによって、簡単に並列処理を実現できるようになった。この機能によって、ある命令を実行するのに、それを任意の 数の処理に分割して個別に実行することができる。並列に実行する処理の個数を指定することもできるので、例えば「10個に分割して1個ずつ順番に実行す る」といったことも可能。
2. Analytics are the coolest thing to happen to SQL since the keyword SELECT
Oracle Database 11g R2では「ListAgg」という関数が追加された。ListAggはグループ化された行に存在する一連の値を1つのリストにして出力する機能を持った関数であり、集約関数や分析関数によって集約された値の内訳を簡単に出力することができるようになった。従来でもsys_connect_by_path関数による階層問い合わせなどによって同様の処理が実現できたが、ListAgg関数によってこれが飛躍的に簡単になったという。
3. Execute on a directory
ディレクトリオブジェクトに対するRead/Writeに加えて、Oracle Database 11g R2ではExecuteの操作も可能になった。これによって任意のプログラムを実行し、その結果をテーブルに格納するなどの処理を実現できる。セッション ではgzipファイルに格納されたデータを、gunzipコマンドを介して直接テーブルに書き込むというデモが紹介された。
4. Recursive Subquery Factoring
ANSI SQL形式の再帰with句が追加された。Oracleでは従来よりconnect by句による階層問い合わせをサポートしていたが、11g R2からはそれに加えて再帰with句を使うことができるようになった。これはconnect byよりも理解しやすいだろうとのこと。
5. Improved Time Travel
フラッシュバック・データ・アーカイブ(FDA)の機能が拡張されてより使いやすくなった。FDAはデータベースをリカバリすることなく、過去のテーブルの履歴を管理できる機能である。Oracle Database 11g R2ではこのFDAにおいてDDLコマンドのサポートが追加された。
6. You've got mail
ファイルがディレクトリに格納された際に、イベントによってそれを通知することができるようになった。これによりDBMSだけでファイルの監視やファイル生成をトリガとした何らかの処理の実行が行えるようになった。
7. Deferred Segment Creation
非同期なセグメントの作成がサポートされた。すなわち、最初に何らかのデータが格納されるまでテーブルセグメントの作成を遅らせることができるようになった。
8. Flash Cache
SSD(Solid State Disk)を拡張バッファキャッシュとして利用できるようになった。SGAメモリが一杯になった場合、通常はオーバーしたデータを磁気ディスクにスワップするが、このスワップ先としてSSDを指定をすることによって高速なアクセスが実現できる。
9. Parallel Improved
並列処理について、3つの大きな改善が行われた。1つ目は新しいアルゴリズムによってテーブルに対して適切な並列度を自動的に決定できるようになったこと。このアルゴリズムでは並列度はクエリごとの予測実行時間によって決められるという。
2つ目は、キューを利用することで並列に行われる処理同士でリソースを適切に分け合うことができるようになったこと。3つ目はテーブルをメモリにロードする際に、複数のメモリに分割して格納できるようになったことである。
10+ Edition-based Redefinition
システムを止めることなくアプリケーションをアップデートすることができるようになった。Oracle Database 11g R2ではひとつのデータベース中に複数のバージョンのストアドプロシージャを共存させることができ、これによって古いバージョンから新しいバージョンへの移行をエンドユーザーに意識させることなく行えるようになったという。
Kyte氏によれば、この10番目については非常に大きなフィーチャーであり、セッションで紹介した内容は提供される機能のほんのごく一部に過ぎ ないという。セッションタイトルを「11 things」に変更した理由も、この機能が他の機能の2個分以上に相当するから、とのことだ。
本カンファレンスではTwitterの公式タグとして「#askTomJP」というハッシュタグが用意された。同タグによって参加者がTwitterに投稿したつぶやきを、リアルタイムなレポートとして閲覧することもできる。
2010年2月18日木曜日
「EmEditor」v9徹底解説 前編 “スニペット”機能をマスターして楽々&高速入力
Windows用のテキストエディターといえば数多くのソフトが存在するが、そのなかでも長年にわたりバージョンアップを繰り返し、今や定番テキストエディターと言えるのが「EmEditor Professional」(以下、「EmEditor」)だ。
「EmEditor」の特長は、テキストエディターとしての使いやすさと機能の豊富さ、そしてプラグインやマクロにより機能を自由に拡張できる点にあるだろう。
Windows Vista/7のエクスプローラに[上へ]ボタンを付け加える「Wee」
「Wee」は、Windows Vista/7のエクスプローラに[上へ]ボタンを付け加えるソフト。Windows Vista/7および同64bit版に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。
Windows Vistaのエクスプローラでは、[上へ]ボタンが廃止されてしまった。アドレスバー上にある親フォルダのボタンを押すことでとりあえず同様の操作は可能だが、慣れ親しんだ操作を変えるのは億劫だというユーザーも多いだろう。また、Windows Vistaでは現在開いているフォルダ名が長い場合、親フォルダのボタンがアドレスバーへ現れず、プルダウンメニューを開かなければアクセスできない仕様であるため、やはり[上へ]ボタンが欲しくなる場合は多い。
そんなときに便利なのが「Wee」だ。Windows Vista/7上のエクスプローラのアドレスバー左隣へ、現在開いているフォルダの親フォルダへ移動する[上へ]ボタンを追加できる。本ソフトはタスクトレイに常駐し、起動するだけで[上へ]ボタンが利用可能になる仕組み。
さらに、本ソフトはタイトルバーへ現在開いているフォルダの名前を表示する機能も搭載している。タスクトレイの右クリックメニューから[ウィンドウのタイトルを表示]項目のチェックをONにしてエクスプローラを開きなおせば、タイトルバーへフォルダ名が表示されるようになる。
「Wee」のダウンロードサイトへ
2010年2月16日火曜日
本当に知っているWindowsの基礎---目次:ITpro
だれもが気軽に使っているWindowsですが,改めて考えていると「いったいどうやって実現しているの?」と素朴な疑問をもつ不思議な点がいっぱいあります。この連載では,そうしたWindowsの基礎ともいえる仕組みの部分について,わかりやすく解説していきます。